专利摘要:
ステントグラフトでの使用のためのステント(42)が提供される。ステント(42)は、少なくとも2つのストラット(46,48)を含むストラット領域を含み、ストラットは少なくとも1つの曲率半径を有する。ステント(42)はさらに、少なくとも2つのストラットを接続し、アイレット領域(54)を形成する湾曲部を含む。ストラット領域およびアイレット領域は電解研磨され、アイレット領域は局所的に研磨される。ステント(42)はさらに、0より大きい少なくとも1つの曲率半径を有し、アイレット領域内に位置決めされるアイレット(54)を含む。その製造方法も開示される。
公开号:JP2011507657A
申请号:JP2010540649
申请日:2008-12-18
公开日:2011-03-10
发明作者:ディアキング,ウィリアム・ケイ;リーウッド,アラン・アール;ローダー,ブレイン・エイ
申请人:メッド・インスティテュート・インコーポレイテッドMed Institute, Inc.;
IPC主号:A61F2-82
专利说明:

[0001] この発明は、血管内の病気の治療のために人間または動物の身体に埋込むための腔内医療装置に関する。詳細には、この発明は、局所的に研磨された領域を有する縫合材料に対応するためのステントに関する。]
背景技術

[0002] 発明の背景
血管および管といった人間および動物の身体の機能的な管は、脆弱化または破裂さえしてしまうことが時としてある。たとえば、大動脈壁は脆弱化し得、これにより動脈瘤となる。脆弱化した、動脈瘤の、または破裂した血管に対する1つの外科的処置は、血管を置換または修復するようステントグラフトの使用を伴う。ステントグラフトは、1つ以上のステントを組合わせて生体適合性材料のチューブから形成され得、その中に内腔を維持する。ステントは、ステントをグラフト材料に縫合することを含む多くの方法でグラフト材料に取付けられる。]
[0003] これらの人工器官は、血管の機能不全の部分を密封するのが好ましい。脆弱化した血管または動脈瘤の血管の場合、人工器官におけるほんの小さな漏れが、治療対象の血管における流れの加圧につながり得る。これは、人工器官が治療しようと意図した状態を悪化させる。このタイプの人工器官は、たとえば、腹部大動脈瘤、腸骨動脈瘤、または腎動脈のような血管枝の動脈瘤を治療する。]
[0004] 上記の例はただ、医師が腔内装置を用いる適用例のいくつかである。腔内装置の他の多くの適用例が既知であり、および/または将来発展されるであろう。たとえば、血管狭窄および動脈瘤を治療するためのステントおよびステントグラフトの使用に加えて、血管フィルタ、閉塞器、人工弁、および他の人工器官装置を配置するのにも同様の処置が用いられ得る。]
[0005] 狭い通路を通ってステントまたはステントグラフトを送出するために、ステントは典型的に直径が小さい送出形状に折り畳まれる。折り畳まれたステント構造は鞘の中に挿入され得る。鞘はステントを、解放されるまで送出形状で保持する。ステントはこの形状ではかなり折り畳まれなければならないので、大きな歪みがステント構造に導入されてしまう。典型的なステント構造は、1回または最小の回数しか送出形状へと折り畳まれないので、ステント構造は、ステント構造へ永久的な損傷を与えることなく、この用途での大きな歪みレベルに対応できると一般的に考えられる。]
発明が解決しようとする課題

[0006] ステントが埋込部位に解放されると、ステント構造は、拡張し、内腔壁に接触する。このプロセスにおいて、歪みの大部分が取除かれる。しかしながら、圧縮応力によりステントグラフトへの損傷が引き起こされ得る。具体的には、圧縮応力により縫合部がグラフト材料に対して磨耗し得る。]
[0007] 縫合部の磨耗の問題は、ダイヤモンド形状のステントにおいて増加する。他のステントのように、ダイヤモンド形状のステントは、ステントをグラフトに縫合するための縫合部に対応するアイレットを有し得る。しかしながら、これらのステントのプロファイルは非常に低いので、送出装置になるよう圧縮される際、ステントは圧縮し、空間を残さない。アイレットのエッジはしたがって、縫合部に対して磨耗し、縫合部の寿命が不適格となる。ステントは最後には擦り切れて壊れる。]
[0008] ステントグラフトもグラフトの磨耗の問題に晒され得る。ステントはしばしば、カニューレをレーザで切断することにより構成される。カニューレをレーザで切断すると、グラフト材料に対して磨耗し得る実質的に長方形または台形のステント断面が作り出され、さらに縫合部が脆弱化し得る。さらに、ステントがグラフトに接触する領域では、グラフト材料は、人工器官を通る血流の圧力により脆弱化し、引き裂かれ得る。このグラフトの磨耗により、人工器官の寿命が低減する。]
[0009] 電解研磨方法は、ステントの粗表面を減らし、グラフトの磨耗および縫合部の磨耗の問題にしばしば寄与するステントの尖っていない長方形のエッジを減少させ得る。しかしながら、電解研磨は、相対的に均一な態様でステント材料を取除く傾向がある。したがって、ステントの隅部から材料を取除いてより円形の断面を作り出すよう電解研磨を行なうとしばしば、ステントのストラットからステント材料が取除かれてしまう。ステントのストラットからの材料の除去は、ステントの完全性の減少へとつながり得、人工器官全体の寿命が低減する。]
[0010] 発明の概要
本発明は、ステントのような腔内医療装置の改善および医療装置を製造する方法の改善を提供することを目的とする。好ましい実施例は、改善したアイレットを有する腔内装置を提供する。この腔内装置では、腔内装置のアイレット領域は局所的に研磨される。この改善されたアイレット構造により、グラフト材料が、縫合部の磨耗および/またはグラフトの磨耗による早期の破損なしでステントに固定され得ることが分かった。]
課題を解決するための手段

[0011] 本発明のある局面に従うと、請求項1において特定されるように、ステントグラフトでの使用のためのステントが提供される。]
[0012] 好ましい実施例は、可変的に研磨されるステント、特に、改善されたアイレットを有するステントを提供する。このステントでは、ステントのアイレット領域が局所的に研磨される。改善されたアイレットを有するこのステントの製造方法も開示される。アイレット領域を局所的に研磨して丸いアイレットエッジを作り出す効果は、縫合材料への応力が小さくなるとともにグラフトの磨耗を減少させることである。これにより、腔内装置全体の寿命が増加する。]
[0013] このステントは、少なくとも2つのストラットを含むストラット領域を含み、ストラットは少なくとも1つの曲率半径を有する。湾曲部が2つのストラットをアイレット領域にて接続する。ストラット領域およびアイレット領域は電解研磨され、アイレット領域は局所的に研磨される。アイレット領域内に位置決めされるアイレットが0より大きい少なくとも1つの曲率半径を有する。]
[0014] ストラットは、曲率半径を有するエッジを有してもよい。ストラットの曲率半径は、曲率半径が零(0)である鋭い隅部の曲率半径に近づく。極めて鋭い隅部は電解研磨の後では得られる可能性は低いので、ストラットの曲率半径は0.001mm未満であってもよい。]
[0015] アイレット領域が局所的に研磨されるので、アイレットのエッジは丸くなる。アイレットの曲率半径は、アイレットのエッジに沿ってどこで半径を計測をしてもほぼ同じになる。アイレットの曲率半径の許容範囲は約0.01mmからアイレットの断面が円形になる値までであればよい。たとえば、この曲率半径は、グラフト材料にストラットを取付ける縫合部の半径の1/10以上に限定されてもよい。別の例では、アイレットの曲率半径の低い範囲は、ストラットの曲率半径よりも少なくとも一桁分高くてもよい。この例において、ストラットの曲率半径は、約0.001mmであってもよく、局所的に研磨されるアイレットの曲率半径は少なくとも約0.01mmであってもよい。]
[0016] 可変的に研磨されるステントは、上述したように、腔内装置を形成するようグラフト材料に取付けられてもよい。グラフト材料は、二重縫合技術を用いてアイレットを通るよう縫い付けられた縫合部を用いて、ステントに固定されてもよい。アイレットは、二重の縫合取付に対応するよう楕円形であり得る。]
[0017] 可変的に研磨されるステントを作製する方法も開示される。ステントは、ステントを形成するようステント材料のカニューレをレーザ切断することによって形成されてもよい。ステントは少なくとも2つのストラットを有するストラット領域を含んでもよく、当該少なくとも2つのストラットは少なくとも1つの曲率半径を有する。ステントは、少なくとも1つの曲率半径を有するアイレット領域を含んでもよい。ステント領域およびアイレット領域を含むステント全体が電解研磨される。次いで、アイレットの当該少なくとも1つの曲率半径が0より大きくなるようにアイレット領域が局所的に研磨される。この方法はさらに、ステントをグラフト材料に取付けることを含んでもよい。グラフト材料は、一重または二重縫合技術を用いてアイレットを通るよう縫い付けられた縫合部を用いて、ステントに固定されてもよい。]
[0018] 本発明の別の局面に従えば、ステントグラフトでの使用のためのステントが提供される。このステントは、少なくとも2つのストラットを含むストラット領域を含み、ストラットは少なくとも1つの曲率半径を有する。ステントはさらに、当該少なくとも2つのストラットを接続し、アイレット領域を設ける湾曲部と、非円形のアイレットとを含む。]
[0019] アイレットは、長円形状、楕円形状、スロット形状、または他の任意の非円形状であってもよい。]
[0020] 以下の添付図面を参照して、本発明の実施例を例示目的でのみ以下に記載する。]
図面の簡単な説明

[0021] 公知の腔内装置の拡大図である。
電解研磨されたダイヤモンド形状のステントを含む腔内装置の拡大図である。
図2Aのダイヤモンド形状のステントの拡大図である。
倍率100Xでの図2Aのダイヤモンド形状のステントの走査型電子顕微鏡画像の図である。
倍率250Xでの図2Aのダイヤモンド形状のステントの走査型電子顕微鏡画像の図である。
アイレット領域において局所的に研磨されるとともにグラフト材料に取付けられているダイヤモンド形状のステントを含む腔内装置の実施例の拡大図である。
図4のダイヤモンド形状のステントのアイレット領域の拡大図である。
線A−A’に沿った図5Aのダイヤモンド形状のステントのアイレット領域の断面を示す図である。
倍率100Xでの図4のダイヤモンド形状のステントの走査型電子顕微鏡画像の図である。
倍率250Xでの図4のダイヤモンド形状のステントの走査型電子顕微鏡画像の図である。
2つの縫合部によりグラフト材料に取付けられる本発明のダイヤモンド形状のステントを示す図である。
レーザ切断された後のダイヤモンド形状のステントのアイレット領域の拡大図を示す図である。
レーザ切断された後のダイヤモンド形状のステントのアイレット領域の、線B−B’に沿った断面を示す図である。] 図2A 図4 図5A
実施例

[0022] 詳細な説明
図における各構成要素は必ずしも尺度決めされておらず、その代わり、本明細書における教示の原理を例示することに重きを置いている。]
[0023] 別途規定されていなければ、本明細書において用いられるすべての技術および科学用語は、この発明が属する技術分野の当業者に共通して理解されるのと同じ意味を有する。]
[0024] この明細書および添付の特許請求の範囲を通じて、「近位」および「近位の」という用語は、埋め込まれた際の血流の方向においてまたは血流に対して、さらに上流にある位置または方向、すなわち装置の部分を指すよう意図される。]
[0025] 「人工器官」という用語は、身体部分または身体部分の機能の代替品を意味する。「人工器官」という用語は、機能性を向上させるか、または機能性を生理系に加える装置も意味し得る。]
[0026] 「管状」という用語は、腔内装置の一般的な形状を指し、この形状により当該モジュールが流体を距離に沿って搬送するか、または動脈のような管状構造内に嵌まることを可能にする。管状の人工器官装置は、一方および両方が枝分かれおよび分岐した装置を含む。]
[0027] 「腔内」という用語は、人間または動物の身体における内腔または身体通路の内部に配置し得る物体に用いられる。内腔または身体通路は、存在している内腔または外科的処置によって作り出される内腔であり得る。この明細書で用いられているように、「内腔」または「身体通路」という用語は広い意味を有するよう意図され、(たとえば、自然のまたは医原性の)人体内の任意の管を含み、血管、気管、および胃腸管などを含む群から選択されるものを含み得る。「腔内装置」または「腔内人工器官」は、したがって、これらの内腔の1つの中に配置され得る装置を示す。]
[0028] 「ステント」という用語は、剛性、拡張力、または支持を人工器官に加える任意の装置または構造を意味する。ステントは、当該通路の完全性を維持しながら、身体通路の開存性を得るとともに維持するよう用いられる。さらに、ステントは、封止部を形成するよう用いられ得る。ステントは、たとえば溶融高分子への浸漬または当業者に公知である任意の他の方法によって、高分子材料でコーティングされ得る。Z−ステントは、ストラットと頂部(すなわち、湾曲部)とが交互に現れるステントであり、ほぼ円筒形の内腔を規定する。Z−ステントの「振幅」は、1つのストラットによって接続される2つの湾曲部の間の距離である。Z−ステントの「節」は、Z−ステントにおける湾曲部の合計数を2で割ったものであるか、またはストラットの合計数を2で割ったものである。]
[0029] 1つの構成では、ステントは複数の非連続の装置であってもよい。別の構成では、ステントは1つの装置であってもよい。ステントは、装置の外部、装置の内部、またはその両方に配置されてもよい。ステントは、自己拡張型もしくはバルーン拡張可能型であってもよく、または両方の特性を有してもよい。さまざまな他のステント構成が、「ステント」という用語の使用により考えられる。]
[0030] 「グラフト」または「グラフト材料」という用語は、身体部分の一部または機能を向上、修復、または置換するよう身体部分に結合されるかまたは結合され得る物体、装置、または構造を示す。グラフト自体が腔内人工器官であり得るか、または構造的構成要素のような他の要素が加えられたグラフトが腔内人工器官であり得る。グラフトは単一の材料、材料の混合物、ウィーブ、積層、または2つ以上の材料の複合材料を含む。グラフトはさらに、記載される実施例のマンドレルの上に積層され得る高分子材料を含み得る。好ましくは、高分子は、マンドレル上に複数層で加えられるが、硬化の後、ステントまたは織込まれたグラフトを封入する1つの層になる。これは、結果得られる血管内人工器官の剥離の発生を減少させる助けになる。ステントはグラフトに取付けられ得、これにより「ステントグラフト」を形成する。]
[0031] この出願において用いられる「患者」という用語は、任意の哺乳動物、特に人間を指す。]
[0032] 本明細書における教示は、改善されたアイレットを有する腔内装置を提供する。当該埋込可能装置のアイレット領域は局所的に研磨される。別の局面では、本明細書における教示は、長円形、楕円形、およびスロット形状などといった非円形のアイレット形状を提供する。改善されたアイレットを有する腔内装置を製造する方法も記載される。]
[0033] ここで図面、特に図1を参照して、従来の腔内装置10が示される。埋込可能装置10は、取付z−ステント12から形成される。取付z−ステント12は、取付z−ステント12の端部にてループ18を通るように縫合部16を縫い付け、取付z−ステント12をグラフト材料22に接続することにより埋込可能装置の本体14に固定される。縫合部19を介して、近位の封止ステント17がグラフト材料22に取付けられる。] 図1
[0034] 図2Aは、ステント24、具体的にはカニューレを切断したダイヤモンド形状のステントを含む埋込可能装置20を示す。埋込可能装置20では、ステント24全体が電解研磨されている。この埋込可能装置20は、大きな半径方向の力を与えるが、その装填構成では低プロファイルを維持する。このようなダイヤモンド形状のステント装置の例は、ここに参照により援用される「テーパを有する梁が改善された腔内装置(Endoluminal Device With Improved Tapered Beams)」という名称を持つUS−A−2007/0021824に記載される。] 図2A
[0035] 図2Bは、ステント24の拡大図を示す。ステント24は、湾曲部32によってアイレット領域34にて接続される少なくとも2つのストラット28,30を有するストラット領域26を含む。ストラット領域26は、レーザで切断されるとともに電解研磨され得るステントの主な「載荷」部分である。アイレット36は、実質的に円形であり得、アイレット領域34に位置する。ステント24は、縫合部27によりアイレット36を介してグラフト材料25に接続される。] 図2B
[0036] カニューレが切断されたステントには、レーザ切断処理の結果、実質的に長方形または台形の断面によりエッジが作り出されるという性質がある。これらのステントは等しく材料を取除くよう電解研磨されるが、相対的に鋭いエッジが残る。図3Aは、電解研磨された、カニューレが切断されたステント24のSEM画像であり、倍率100Xでアイレット領域34を示す。アイレット領域34は平滑なように思われる。図3Bは、同じ電解研磨された、カニューレが切断されたステント24を倍率250Xで示すSEM画像である。図3Bは、アイレット36のエッジ38,39は鋭く、アイレット36の断面が実質的に長方形であることを示す。] 図3A 図3B
[0037] 図4は、ステント42、具体的にはカニューレを切断したダイヤモンド形状のステントを含む腔内装置40を示す。この腔内装置40は、大きな半径方向の力を与えるが、その装填構成では低プロファイルを維持する。ステント42は、少なくとも2つのストラット46,48を有するストラット領域44を含む。ストラット46,48は、湾曲部50によってアイレット領域52にて接続される。ストラット領域44はステント42の主な「載荷」部分である。ステント42は電解研磨される。アイレット54はアイレット領域52に位置する。このステント42では、上で論じたステント24とは対照的に、アイレット領域52は、アイレット54の鋭いエッジを平滑化するよう局所的に研磨されている。] 図4
[0038] ステント42の拡大図である図5Aを参照すると、局所的に研磨されるアイレット領域52の特性が示される。ストラット48は、曲率半径を有するエッジ56を有する。ストラットの曲率半径は、曲率半径が零(0)の鋭い隅部の曲率半径に近づく。極めて鋭い隅部は電解研磨の後では得られる可能性は低いので、ストラットの曲率半径は典型的には0.001mm未満である。この値は適切な耐久性および半径方向の力を達成するのに十分なストラット48の断面を維持するのに適切である。] 図5A
[0039] アイレット領域52が局所的に研磨されると、アイレット54のエッジ60はより丸くなり、アイレット58の断面はより円形になる。図5Bは、線A−A’に沿ったアイレット断面58を示す。アイレットの曲率半径は、アイレット54のエッジ60に沿ってどこで半径を計測をしてもほぼ同じになる。一例では、アイレットの曲率半径の許容範囲は約0.01mmからアイレット54の断面が円形になる値までである。たとえば、アイレットの曲率半径は0.10mmであってもよい。さらに、アイレットの曲率半径は、アイレットが縫合部を切断またはほつれさせるのを避けるよう縫合部の半径の1/10以上に限定されてもよい。] 図5B
[0040] 別の例では、アイレットの曲率半径の低い範囲は、ストラットの曲率半径よりも一桁分高くてもよい。たとえば、ストラットの曲率半径は、約0.001mmであってもよく、局所的に研磨されるアイレットの曲率半径は少なくとも約0.01mmであってもよい。別の例では、アイレットの1つの曲率半径は、縫合部の半径の1/10以上であってもよく、ストラットの少なくとも1つの曲率半径よりも少なくとも一桁大きい。]
[0041] ステントは生体適合性材料から形成され得る。装置の製造に用いられる材料は、周知の好適な金属から選択され得る。好ましい材料は、耐機械荷重、生体適合性、弾性率、または他の所望の特性に対して所望の機能特性を与え得る材料を含む。さまざまな実施例では、ステントは、ステンレス鋼、ニッケル、銀、白金、パラジウム、金、チタン、タンタル、イリジウム、タングステン、コバルト、クロム、ニッケル−チタン合金、商品名ニチノール(NITINOL)(登録商標)またはインコネル(inconel)で売られる超弾性ニッケル−チタン(NiTi)合金から選択される金属材料を含む。好ましくは、個々のステントユニットはニチノールまたはステンレス鋼から製造される。]
[0042] 図6Aは、局所的に研磨されるステント42のSEM画像であり、アイレット領域52を倍率100Xで示す。アイレット領域52は平滑なように思われる。図6Bは、同じ局所的に研磨されるステント42を倍率250Xで示すSEM画像であり、アイレット領域52に対する局所的な研磨の影響を視覚的に確認する。アイレットエッジ60は丸くされ、図3Bに示された電解研磨されたステント24のアイレット36の鋭いエッジ38が除去されている。] 図3B 図6A 図6B
[0043] 局所的に研磨されるステント42は、図4に示されるように、腔内装置40を形成するようグラフト材料に取付けられ得る。図7は、グラフト材料62への局所的に研磨されるステント42の取付を示す。たとえば、グラフト材料62は、二重縫合技術を用いてアイレット54を通るよう縫い付けられた縫合部64,65を用いて、ステント42に固定され得る。アイレットは、二重の縫合取付に対応するよう楕円形であり得る。縫合材料は、ポリプロピレンまたは当該技術において公知の他の任意の好適な材料であってもよい。] 図4 図7
[0044] 管状のグラフト材料は、生体適合性の織物、高分子、生体材料、またはその複合物から構成されてもよい。織物のグラフト材料が形成され得る生体適合性材料の例は、ポリエチレンテレフタラートのようなポリエステルと、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)および延伸PTFEの繊維のようなフッ素化高分子と、ポリウレタンとを含む。好ましくは、グラフト材料は織布ポリエステルである。より好ましくは、グラフト材料は、DACRON(登録商標)(DUPONT社、ウィルミントン(Wilmington)、デラウエア州(DE))またはTWILLWEAVEMICREL(登録商標)(VASCUTEK社、レンフリューシャー(Renfrewshire)、スコットランド(Scotland))といったポリエチレンテレフタラート(PET)である。DACRONのような織布ポリエステルは、変動する孔隙度を有する。孔隙度は、織布ポリエステルを作り出すのに用いられる織るまたは編む工程に基づき選択的に制御され得る。結果、用途に応じて、孔隙は、患者の組織を織布グラフト材料へと組込むのを促進するよう調節され、これにより患者の血管または内腔内に人工器官をより確実に固定し得る。さらに、孔隙度は血液または他の生理流体を含む液体に対して不浸透性である織布グラフト材料を提供するよう調節され得る。グラフト材料の織布ポリエステルは、複数の糸を含んでもよい。]
[0045] 埋込可能装置40の製造方法がさらに提供される。上述したようなステント42を製造するのに、当該技術において公知である標準的なレーザ切断技術が用いられ得る。たとえば、ステント構造はチューブから構造部材をレーザで切断することで作成され得る。図8Aは、レーザで切断された後のステント66のアイレット領域67の拡大図を示す。ステント68のアイレットもレーザで切断される。線B−B’に沿ったアイレット68の断面70が図8Bに示される。図8Bに示されるように、レーザ切断された後のアイレットの形状は台形状であり、エッジ72は実質的に鋭い隅部である。] 図8A 図8B
[0046] 次いでステント装置全体が電解研磨され得る。電解研磨は、好ましくは高イオン溶液における電位および電流による金属の電解除去である。電解研磨は好ましくは導電性材料の平滑化、研磨、ばり取り、または洗浄のために用いられる。電解研磨は、選択的に金属表面上の表面欠陥を除去することにより応力集中を除去し、これにより当該材料をより強くする。電解研磨はさらに耐食性を向上し得るとともに水素をステントの表面から除去し得る。]
[0047] 電解研磨は典型的に、電解液を与えることと、ステントを電解液内に配置することと、ステントに接触しないようにカソードを電解液に配置することと、アノードをステントに結合することとを伴う。アノードとカソードとの間に電圧が与えられると、ステントを形成する元素が溶液の中へと押しやられてカソード上に堆積するようカソードへ運ばれ、ステントはその外側表面の一部を失うことになる。ステントの表面が粗ければ粗いほど、溶液中に押しやられやすくなり、ステントの表面から除去される。これにより、ステントの表面が幾分平滑化される。]
[0048] 電解研磨処理はしばしば、ステントを洗浄することによるステントの準備から始まる。ステントの洗浄は非導電材料をステントの表面から除去し得る。油、接着剤、および他の物質は汚染物質となり得るものである。次いで、ステントは、好ましくはリン酸および硫酸溶液の酸浴槽に配置し、DC電源の正のリードをステントに接続するとともに負のリードをカソードに接続することにより電解研磨され得る。後処理は好ましくは、硝酸の洗浄液にステントを配置し、その後水の洗浄液に配置することを伴う。図2Bおよび図3A−3Bは、電解研磨のステップの後のステント装置を示す。] 図2B 図3A
[0049] アイレット領域は、上で論じた寸法に従って局所的に研磨される。局所的な研磨は、尖っていないアイレットのエッジを平滑化するよう機械転回または研磨を含み、その後当該技術において公知の方法に従った電解研磨を含み得る。一例では、この局所的な研磨はステント全体の電解研磨の後のステップにおいてなされる。図6A−6Bは、アイレット領域が局所的に研磨された後のステント42のSEM画像を示す。グラフトの磨耗を減少させるよう選択的にステント材料を除去するのが望ましい中間ストラット領域のようなステントの他の領域も、局所的に研磨されてもよい。] 図6A
[0050] 図7に示されるように、局所的に研磨されるステント42は次いでグラフト材料62に取付けられ得る。一例では、グラフト材料62は、アイレット54に縫付けられる縫合部64を用いてステント42に固定される。縫合部は、二重縫合技術を用いて2回アイレットを通るよう縫付けられ得る。この例では、アイレットは二重縫合取付に対応するよう楕円形状である。腔内装置40は、グラフト材料62に取付けられる少なくとも1つの局所的に研磨されるステント42から形成される。] 図7
[0051] 長円形、スロット形状、および同様の形状を含む楕円形の代わりに、他の形状のアイレットが用いられてもよい。]
[0052] 腔内装置40は、当該技術において公知の方法を用いて、身体の血管中に送出および配置される。たとえば、この装置は、ステントの外側表面に接触し、血管への送出のためにステントを圧縮状態で保持する保持鞘内に搭載されてもよい。血管に貫入するのに中空針が用いられてもよく、案内ワイヤがこの針を通って血管内へ通されてもよい。次いで、針は取除かれ、導入カテーテルに取って代わられる。導入カテーテルは一般的に、ステントを含む腔内装置が血管に到達するよう通り得るポートとして作用する。圧縮されたステントおよび保持鞘は次いで導入カテーテルを通って血管に入り得る。ステントが治療部位に隣接する血管に配置されると、保持鞘は収縮され得、これによりステントを圧縮状態から拡張状態へと拡張させる。拡張状態では、ステントは血管壁に接触し、血管壁に半径方向の力を作用させる。保持鞘および導入カテーテルは次いで血管から引出され得る。]
[0053] アイレットのある形状、特に楕円形状、長円形状、スロット形状は、アイレットの外周に亘って縫合部の相対運動を低減させ得るとともに界面圧力を低減し得、これにより縫合部の磨耗を低減し得るということが分かった。このような形状は、縫合部の直径、縫合部の数、および縫合部の荷重の低減の結果、磨耗を低減し得る。]
[0054] 上述した詳細な説明は限定的ではなく例示的であると意図され、この発明の精神および範囲を規定するよう意図されるのは、すべての均等物を含む添付の特許請求の範囲であると理解される。]
权利要求:

請求項1
ステントグラフトでの使用のためのステントであって、少なくとも2つのストラットを含むストラット領域を含み、前記ストラットは少なくとも1つの曲率半径を有し、前記ステントはさらに、前記少なくとも2つのストラットを接続し、アイレット領域を形成する湾曲部を含み、前記ストラット領域および前記アイレット領域は電解研磨され、前記アイレット領域は局所的に研磨され、前記ステントはさらに、0より大きい少なくとも1つの曲率半径を有する、前記アイレット領域内に位置決めされるアイレットを含む、ステント。
請求項2
前記少なくとも2つのストラットの前記少なくとも1つの曲率半径は約0.001mm以下である、請求項1に記載のステント。
請求項3
前記アイレットはほぼ楕円形状を有する、請求項1または2に記載のステント。
請求項4
前記アイレットの前記少なくとも1つの曲率半径は約0.01mmから前記アイレットの断面が円形になる値の範囲内にある、先行する請求項のいずれかに記載のステント。
請求項5
前記アイレットの前記少なくとも1つの曲率半径は、前記少なくとも2つのストラットの前記少なくとも1つの曲率半径よりも一桁大きい、先行する請求項のいずれかに記載のステント。
請求項6
前記アイレットの前記少なくとも1つの曲率半径は0.01mmであり、前記少なくとも2つのストラットの曲率半径は0.001mmである、請求項5に記載のステント。
請求項7
前記アイレットの前記少なくとも1つの曲率半径は、少なくとも1つの縫合部の半径の1/10以上である、先行する請求項のいずれかに記載のステント。
請求項8
前記アイレットの前記少なくとも1つの曲率半径は、少なくとも1つの縫合部の半径の1/10以上であり、前記少なくとも2つのストラットの前記少なくとも1つの曲率半径より少なくとも一桁大きい、先行する請求項のいずれかに記載のステント。
請求項9
前記少なくとも2つのストラットの前記少なくとも1つの曲率半径が約0.001mm以下であることと、前記アイレットがほぼ楕円形状を有することと、前記アイレットの前記少なくとも1つの曲率半径が約0.01mmから前記アイレットの断面が円形になる値までの範囲内にあることと、前記アイレットの前記少なくとも1つの曲率半径が前記少なくとも2つのストラットの前記少なくとも1つの曲率半径よりも一桁大きいことと、前記アイレットの前記少なくとも1つの曲率半径が0.01mmであり、前記少なくとも2つのストラットの前記曲率半径が0.001mmであることと、前記アイレットの前記少なくとも1つの曲率半径が少なくとも1つの縫合部の半径の1/10以上であることと、前記アイレットの前記少なくとも1つの曲率半径が少なくとも1つの縫合部の半径の1/10以上であり、前記少なくとも2つのストラットの前記少なくとも1つの曲率半径よりも少なくとも一桁大きいこととのいずれかのうち少なくとも2つ以上を含む、請求項1に記載のステント。
請求項10
前記アイレットは少なくとも1つの縫合部によりグラフト材料に固定される、先行する請求項のいずれかに記載のステント。
請求項11
前記アイレットは2つの縫合部によりグラフト材料に固定される、請求項10に記載のステント。
請求項12
ステントの製造方法であって、前記ステントを形成するようステント材料のカニューレをレーザ切断するステップを含み、前記ステントは少なくとも2つのストラットを含むストラット領域を含み、前記少なくとも2つのストラットは少なくとも1つの曲率半径を有し、前記ステントはアイレット領域を含み、前記アイレット領域は少なくとも1つの曲率半径を有するアイレットを含み、前記方法はさらに、前記ステント領域および前記アイレット領域を電解研磨するステップと、前記アイレットの前記少なくとも1つの曲率半径が0より大きくなるように前記アイレット領域を局所的に研磨するステップとを含む、方法。
請求項13
前記アイレットの前記少なくとも1つの曲率半径が約0.01mmから前記アイレットの断面が円形になる値までの範囲内にあるように前記アイレット領域を局所的に研磨するステップを含む、請求項12に記載の方法。
請求項14
前記アイレットの前記少なくとも1つの曲率半径が前記少なくとも2つのストラットの曲率半径よりも少なくとも一桁大きくなるように前記アイレット領域を局所的に研磨するステップを含む、請求項12または13に記載の方法。
請求項15
前記アイレットの前記少なくとも1つの曲率半径が少なくとも1つの縫合部の半径の1/10以上であるように前記アイレット領域を局所的に研磨するステップを含む、請求項12、13、または14に記載の方法。
請求項16
前記アイレットを少なくとも1つの縫合部によりグラフト材料に固定するステップを含む、請求項12から15のいずれか1項に記載の方法。
請求項17
腔内装置の製造方法であって、ステントを形成するようステント材料のシートをカニューレ切断するステップを含み、前記ステントは少なくとも2つのストラットを含むストラット領域とアイレット領域とを含み、前記アイレット領域は少なくとも1つの曲率半径を有するアイレットを含み、前記方法はさらに、前記ステント領域および前記アイレット領域を電解研磨するステップと、前記アイレットの前記少なくとも1つの曲率半径が前記少なくとも2つのストラットの曲率半径よりも一桁小さく、かつ前記アイレットの曲率半径が少なくとも1つの縫合部の半径の1/10以上であるように前記アイレット領域を局所的に研磨するステップを含む、方法。
請求項18
前記アイレットを前記少なくとも1つの縫合部によりグラフト材料に固定するステップを含む、請求項17に記載の方法。
請求項19
各アイレットが少なくとも2つの縫合部によりグラフト材料に固定される、請求項18に記載の方法。
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